ホーム/コラム/【#7】火曜日の夜 ──言えなかった朝コラム一覧へ戻る読みもの#note#火曜日の夜【#7】火曜日の夜 ──言えなかった朝2026-05-05·けあとの遭遇®プロジェクト·1分で読める【#7】火曜日の夜 ──言えなかった朝|Masato Sasaki|けあとの遭遇®職場に戻ったのは、翌日のことでした。 朝、エレベーターを降りながら、今日何を聞かれるかを少し考えました。「お父さん、大丈夫でしたか」と聞かれるだろう。そのときなんと答えるか。 大丈夫です、と言うのだろうと思いました。 それ以外の言葉が、出てくる気がしませんでした。 上司はデスクで資料を見ていて、私が来ると顔を上げました。 「昨日は大変だったね。お父さん、どうだった?」 「ひとまず落ち着いています。ご迷惑をおかけしました」 そう言いながら、自分の口から出た言葉を、どこか遠いところから聞いていました。 ひとまず、落ち着いています。 それは本当のことでした。 でも本当のことnote(ノート)