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介護はじめの一歩#2025年問題#2040年問題#介護人材不足

いま起きている「2025年問題」とは? ― そして2040年問題へ

更新 2026-08-29けあとの遭遇®プロジェクト9分で読める

​意外と説明できない「2025年問題」とは?​

ニュースなどでもたびたび取り上げられてきた​「2025年問題」​

​高齢化にまつわる問題​という認識を持っている方は多いかもしれませんが、そもそもなぜ問題なのか?と聞かれるとはっきりと答えられない、という方もいらっしゃるかもしれません。

そして​2025年は、すでに到来しました​。団塊の世代が全員75歳以上となり、いま私たちはその只中にいます。

今回は、「これから起きること」ではなく「いま起きていること」として、​「2025年問題」​とはそもそも何だったのか、そして​その先に控える「2040年問題」​までを、​できるだけ簡単に​整理してみたいと思います。

目 次

  • ​【問い】​「2025年」に、いったい何が起きたのでしょうか?
  • ​【問い】​団塊の世代が75歳以上になるのが​なぜ問題​なのでしょうか?
  • ​【問い】​介護が必要になっても、​国の制度があるから大丈夫​なのではないでしょうか?
  • ​【問い】​いざというときに国の制度に頼れず、サービスを利用しようとしても人手不足で利用できないということが起こるかもしれないということでしょうか?

問い)「2025年」に、いったい​何が起きた​のでしょうか?

年号で問題と騒がれたものとして​「2000年問題」​を思い出される方もいらっしゃるかもしれません。

あのときは、​西暦が19xx年から2000年に切り替わるとき​に、コンピューターでは下2桁(xxの部分)で処理していたものが多く残っていたため、​2000年に切り替わった瞬間に1900年と誤った処理をしてしまう恐れがあった​というものでした。

​「2025年問題」​は、一言で言えば、​〈団塊の世代(1947〜49年生まれ)が、2025年に全員75歳以上の後期高齢者となった〉​ということです。

人口構造は、大きな変化が起きない限り見通しが立つものです。ですからこれは​「2025年」という一瞬の問題​ではありません。すでに到来し、そして​この先も続いていく​という性質のものなのです。

問い)団塊の世代が75歳以上になるのが​なぜ問題​なのでしょうか?

これは、​年齢が上がるほど、介護が必要になる方の割合が高くなる​からです。

厚生労働省の令和4年版厚生労働白書「年齢階級別の要介護認定率」によると、要介護・要支援の認定を受けている人の割合は、​65〜69歳で2.8%、70〜74歳で5.5%、75〜79歳で12.4%、80〜84歳で26.4%、85〜89歳で48.1%、90歳以上で72.7%​と、​年齢とともに上がっていきます​(65歳以上全体では18.3%)。

あわせて知っておきたいのが、​健康寿命​という考え方です。

健康寿命とは、厚生労働省の「健康寿命の令和4年値について」によれば​日常生活に制限がない期間の平均​のことです。2022年(令和4年)は​男性72.57年、女性75.45年​で、平均寿命(男性81.05年、女性87.09年)との差は​男性8.49年、女性11.63年​でした。ただし、​この差がそのまま「介護が必要な期間」を意味するわけではありません​し、​健康寿命の年齢になったら介護が始まる、というものでもありません​

問い)介護が必要になっても、国の制度があるから大丈夫なのではないでしょうか?

​そのとおりです!​とお伝えしたいのはやまやまなのですが、実はその制度は大きく変わってきており、このままでは​利用したくても利用できない事態が起きてしまう恐れ​がでてきているのです。

超高齢化の進展に伴い、​社会保障費​は今後​医療・介護・年金​の分野を中心に​大幅な増加​が見込まれています。

そして介護における国の制度が、いわゆる​介護保険制度​です。厚生労働省の基本指針(令和6年厚生労働省告示第18号)は、​「国民の共同連帯の理念に基づき、要介護者等を社会全体で支援する仕組みとして、介護保険制度が創設された」​とし、制度は現在も​社会全体で支えること​を基本としています。

ポイントだけお伝えしますと、

  • ​高齢化にともなって社会保障費(医療・介護・年金)が増えていくこと​
  • ​可能な限り住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、地域包括ケアシステムの推進が図られていること​
  • ​給付・負担・サービス提供のあり方について、制度改正が重ねられてきたこと​

同じ基本指針は、​「介護保険制度が創設された大きな目的の一つは、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みを設けることで、家族による過度な介護負担を軽減することにあった」​としたうえで、​「家族の負担は軽減された面もあるが、今なお、…多くの家族は何らかの心理的な負担感や孤立感を有して」​いると述べています。サービスがあれば家族の負担がすべてなくなるわけではなく、​家族への支援そのものが政策課題​として位置づけられています。

介護保険制度は、制度の概要にあるとおり、給付と負担の両面で見直しが重ねられてきました。利用者負担やサービスの提供のしかた、事業者が満たすべき基準など、改正のたびに内容が変わっています。

介護保険サービスの費用は、​厚生労働大臣が定めるサービスごとの単位数や加算・減算などの算定基準​に沿って決まります。また事業者には、​人員・設備・運営の指定基準​が定められています。この点で、価格を事業者が自由に決められる一般のサービスとは​異なる事業構造​を持っています。

その算定基準は、介護報酬改定として定期的に見直されます。基本報酬のほか、加算・減算や算定要件も対象になります。​改定率は年度によってプラス・マイナスがあり、近年はプラス改定が続いています。​

  • ​令和3年度(2021年):+0.70%
  • ​令和6年度(2024年):+1.59%(うち介護職員の処遇改善分+0.98%)
  • ​令和8年度(2026年):+2.03%(処遇改善分+1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分+0.09%)

なお、​全体の改定率がそのまま、すべてのサービス・すべての事業所の増減率になるわけではありません​。サービスの種類や加算の取り方によって影響は変わります。

直近の改定では、​介護職員の処遇改善が政策目的として明示​されています。令和8年度改定は「他職種と遜色のない処遇改善に向けて」期中改定として実施されたもので、介護従事者を対象に​幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げ​を実現することが掲げられています。それでも人材の確保が引き続き大きな課題であることに変わりはありません。

それでもなお、​「介護の仕事は大変な割に給与が低い」​というイメージは根強く残っています。

こうしたイメージも重なり、​介護人材の確保は非常に困難​となっており、高齢者の増加に伴う​介護ニーズの上昇​ともあいまって、​介護人材不足が深刻化​しています。厚生労働省が第9期介護保険事業計画に基づき集計した介護職員の必要数では、​2026年度に約240万人、2040年度に約272万人​が必要と見込まれています(2022年度の介護職員数 約215万人を起点とした、都道府県による推計の集計。出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。

そのような状況を解決するために、

  • ​外国人労働者の活用​
  • ​女性・シニア労働者の活用​
  • ​介護ロボットやICT機器の活用​

といった取り組みがなされており、様々な企業が介護領域でのサービス開発を進めているという状況です。

問い)いざというときに「人手不足」でサービスを利用できないということが起こるかもしれないということでしょうか?

​その可能性がある​、と言わざるを得ません。

特に​介護保険制度はいまも改定についての議論​がなされています。

介護保険制度はおおむね​3年に1度、大きな見直し​が行われます。利用者負担のあり方やサービスの提供のしかたなどは、そのつど社会保障審議会で議論され、​制度がこの先どう変わっていくかは、そのときどきの議論次第​という面があります。

このまま私たちが​「2025年問題」​、そしてそこにまつわる​介護の問題​についてみて見ぬふりをしてしまっていると、​いざという時に自分たちの身を守ることができない状況になってしまっているかもしれない​のです。

そのような事態が現実となり、頼りたくとも制度が利用できなかったり、利用できる介護サービスに空きがなかったりしたとき、​「介護は家族が行うもの」​となってしまい、働き盛りの世代が自ら介護をせざるを得ず、​働きたくても働けない状況になってしまうかも​しれません。

そうなると、​介護されるご家族はいわゆる介護離職​をしてしまうことになり、​職場は仲間を失い​​企業も人手不足​でまわらなくなってしまう。

そして、​国も税収が確保できなくなり​、より一層​社会保障費の削減​をせざるを得ず・・・という​負のスパイラルに陥ってしまう​という可能性もあるのです。

そのような未来はだれにとっても望むものではありません。

まずはひとりひとりが​「2025年問題」​​他人事​にしてしまうのではなく、いま自分自身に何ができるのか?という​ジブンゴト​として考えてほしい、​アンテナを立てて情報収集やコミュニケーションをとっていくことを始めてほしい​、と考えています。


2025年は通過点 ―― 次に控える「2040年問題」

そして忘れてはならないのが、​2025年はゴールではなく通過点​だということです。

次の節目が​「2040年問題」​です。今度は団塊ジュニア世代が高齢期に入り、​65歳以上人口は2043年に約3,953万人でピーク​を迎えると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」出生中位・死亡中位推計)。介護需要はさらに高まり、上記のとおり​2040年度には約272万人の介護職員が必要​と見込まれ、人材確保はいっそう大きな課題となります。

「2025年を乗り越えれば終わり」ではなく、​その先も見据えて、いまから備えていく​。そんな視点がますます大切になっています。

まとめ

​「2025年問題」​とは、​団塊の世代が75歳以上になっていく過程​で起きる

  • ​なんらかの介護が必要になる方々が大幅に増加すること​
  • ​社会保障費(医療・介護・年金)が大幅に増加すること​
  • ​介護を担ってくださる介護人材の方々が大幅に足りなくなってしまうこと​

その結果として、​「介護を家族でせざるを得なくなってしまう」ということ​だとお伝えさせていただきました。

そして​「2025年問題」​は2025年という節目を指す言葉にすぎず、​その後も状況は続き、むしろ深刻さを増していく​ものなのです。

​「介護」は誰にでも起こり得るもの​です。

そしてそれが​いつ起こるかはわかりません​

突然の場合にも​パニック​になることなく、そして​前兆があるならば早めに手を打っていく​

ひとりひとりの心掛けが​「2025年問題」という大きな問題を解決していく礎​となっていく。

私たちはそう信じています。

「介護」のすそ野を広げる。

  まずは​関心を持つこと​から始まっていく。

  本記事の内容が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。


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